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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第1章 恋の訪れ

果たして、母の懸念は不幸にも的中した。七福は薬代は必ず利子をつけて返すとまで言っていたにも拘わらず、その後、二度と姿を現さなかった。恐らくは、七福は父から騙し取った人参を更に闇で高値で売り飛ばし、法外な金を手にしたに違いない。
店にあったすべての人参を七福に分けてやった父は、忽ち商売にゆきづまった。人参を卸してくれる仲買人には、実はその分の支払いはまだ済んでいなかったのだ。
―あんたが人の好いのはよく知っているが、わしらも苦労して高い人参を仕入れてるんだ。人の好いのも度を越せば、単なる馬鹿と同じじゃないか。とっとと、この間、渡した分の代金をきっちりと耳を揃えて返してくれよ。
店にあったすべての人参を七福に分けてやった父は、忽ち商売にゆきづまった。人参を卸してくれる仲買人には、実はその分の支払いはまだ済んでいなかったのだ。
―あんたが人の好いのはよく知っているが、わしらも苦労して高い人参を仕入れてるんだ。人の好いのも度を越せば、単なる馬鹿と同じじゃないか。とっとと、この間、渡した分の代金をきっちりと耳を揃えて返してくれよ。

