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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第2章 揺れる、心

それとも、菩薩だと称えられるお方でも、このような厳しい眼を―いや、厳しいというのではない、まるで邪魔者を見るような疎ましげな眼をなさるものなのか。
「まあ、良いではないか。今日は主上の初めての御子が生まれると判っためでたい日だ。そのようにいきり立つものではない。愼女官、今日は特別だ。銚子がすべて空になっているゆえ、新しいものを数本、用意しなさい。沈貴人、そなたはかなりの酒豪だと聞くが、主上おん自らが民草を思し召して質素倹約に励んでおられるというに、妃たるそなたが夜毎、女官たち相手に酒を呑んでいるというのは外聞が悪い。妻というものは、良人のなすべき仕事を陰から支えるのが務め。今後は気をつけるが良かろう」
「まあ、良いではないか。今日は主上の初めての御子が生まれると判っためでたい日だ。そのようにいきり立つものではない。愼女官、今日は特別だ。銚子がすべて空になっているゆえ、新しいものを数本、用意しなさい。沈貴人、そなたはかなりの酒豪だと聞くが、主上おん自らが民草を思し召して質素倹約に励んでおられるというに、妃たるそなたが夜毎、女官たち相手に酒を呑んでいるというのは外聞が悪い。妻というものは、良人のなすべき仕事を陰から支えるのが務め。今後は気をつけるが良かろう」

