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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第2章 揺れる、心

怖い、と、百花は思った。五人の側室たちに向けるまなざしの優しさ、やわらかさに比べて、この違いは何なのだろう。一体、自分が何をしたのか。それとも、大王大妃も人間だから、一介の女官が孫である国王に無礼を働き、王が身を挺してまでその不届きな女官を庇ったことが腹立たしいのだろうか。
そうだ、そうに違いない。それにしても、間近でお逢いする大妃さまがここまで冷え切った瞳をなさる方だとは、これまで思いだにしなかった。下々の女官にまでお優しい言葉をかけて下さる情け深き方だと聞き、信じていたのだ。
そうだ、そうに違いない。それにしても、間近でお逢いする大妃さまがここまで冷え切った瞳をなさる方だとは、これまで思いだにしなかった。下々の女官にまでお優しい言葉をかけて下さる情け深き方だと聞き、信じていたのだ。

