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第3章 結ばれる

　もちろん、そんな上役ばかりではない。提調尚宮は流石に謹厳で気難しくはあるが、道理の判らぬ人ではないという評判だ。また、数人いる尚宮の中にも若い女官から慕われる人望のある懐の深い者もいる。
　その尚宮たちもまた所詮は、王や后たちに仕える女官の身にすぎない。尚宮たちも王や后たちにとっては自分たちと同様棄て駒で、幾らでも代わりのきく存在なのだ。
「尚宮さま、何かご用でしょうか」
　恐る恐る問いかけると、崔尚宮は鷹楊に頷き、片手で差し招いた。数歩いざり進むと、崔尚宮が微笑んだ。