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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第3章 結ばれる
 その懐剣の鞘を払い、百花は鋭い煌めきを放つ刃にじいっと眺め入った。しばし眺めた後、一つの三つ編みにして後頭部で纏めていた長い髪を下ろす。飾り紐を外し、お団子を崩すと、更に三つ編みを解く。頭を軽く振ると、その拍子に腰まで届く豊かな艶(つや)やかな黒髪がはらりと背中に流れ落ちた。
 小さな顔の輪郭にかかるほんのひと房の髪を掴み、刃の切っ先を当てる。後はいささかの躊躇いもなく、掴んだ髪を小刀で切り取った。百花はその髪束を小さな巾着に収め、きつく紐で縛った。百花の両手にすっぽりと隠れてしまうほどの大きさのそれをしっかりと握り込み、何かに耐えるような表情で長い間、眼を閉じていた。
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