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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第4章 愛撫

愼尚宮と呼びかけられ、百花は〝はい〟と小さな声で応えた。何故、いきなり監察尚宮が王の生い立ちについて語り始めたのか、その真意を計りかねる。
「あの方は明るく朗らかな外見を保ちながらも、いつも自分以外の者との間に距離を置こうとなさる。それも、恐らくは、あの方のお育ち、境遇のお淋しさのせいでしょう。わずか十歳の幼子に、国中の者がひれ伏すのです。幼い殿下が戸惑ってしまわれたのも、誰の言葉も心から信じられなかったのも、私には致し方のないことのように思えるのです。どうか、あなただけは殿下のお淋しさを理解して差し上げて、殿下のお心の支えとなって下さいね」
「あの方は明るく朗らかな外見を保ちながらも、いつも自分以外の者との間に距離を置こうとなさる。それも、恐らくは、あの方のお育ち、境遇のお淋しさのせいでしょう。わずか十歳の幼子に、国中の者がひれ伏すのです。幼い殿下が戸惑ってしまわれたのも、誰の言葉も心から信じられなかったのも、私には致し方のないことのように思えるのです。どうか、あなただけは殿下のお淋しさを理解して差し上げて、殿下のお心の支えとなって下さいね」

