この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第6章 鷺草~真実の愛~
「大丈夫、昌淑に迷惑はかけないから」
百花はたった一人の友に微笑みかけた。
「人間はどんなときだって、譲れないものがあるでしょう。昌淑、私にもしものことがあっても、哀しまないで。勝手なことをするのを許して」
王命に真っ向から逆らうのだ。この身がどうなるかは判らず、最悪の場合、処刑されても文句は言えない。
「百花!」
昌淑が背後で叫ぶ。百花は途中でもう一度だけ、振り返って微笑んだ。
「馬鹿な娘(こ)、本当にとことん頑固なんだから」
無事に帰ってくるのよ。さもないと許さないからね。
昌淑は遠ざかる親友の背中に涙声で呟いた。
百花はたった一人の友に微笑みかけた。
「人間はどんなときだって、譲れないものがあるでしょう。昌淑、私にもしものことがあっても、哀しまないで。勝手なことをするのを許して」
王命に真っ向から逆らうのだ。この身がどうなるかは判らず、最悪の場合、処刑されても文句は言えない。
「百花!」
昌淑が背後で叫ぶ。百花は途中でもう一度だけ、振り返って微笑んだ。
「馬鹿な娘(こ)、本当にとことん頑固なんだから」
無事に帰ってくるのよ。さもないと許さないからね。
昌淑は遠ざかる親友の背中に涙声で呟いた。