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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第6章 鷺草~真実の愛~
王が素早く百花の手を取った。
小さな手のくすり指に、そっと紅い石の指輪が嵌められる。
「殿下、これは―」
百花が困惑顔で見上げると、王は笑顔で言った。
「母上(オバママ)の形見だ。石榴石(ガーネツト)でできていると聞いている。いつか心から愛する女が現れたら、これを贈ろうと大切に持っていた」
「なりませぬ、このようなおん大切なものを私などに」
狼狽える百花を王は優しい眼で見つめた。