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夢で逢えたなら~後宮秘談【怨のものがたり~朝鮮王朝後宮譚改題
第2章 揺れる、心

「あら、それはどうかしら。大王大妃さま、実は、私、思いがけない嬉しい知らせを存じておりますの」
初めて口を開いたのは、金淑儀である。同姓であることが示すように、この女人は今、この場にはいない金穏格(キムオンギヨク)、つまり、もう一人の金淑儀の従姉に当たる。父親同士が兄弟になるのだ。
「ホウ、嬉しい知らせとな。それはもしや」
大王大妃は勘の良い人だ。このときも、金淑儀の言わんとするところを正しく理解した。
初めて口を開いたのは、金淑儀である。同姓であることが示すように、この女人は今、この場にはいない金穏格(キムオンギヨク)、つまり、もう一人の金淑儀の従姉に当たる。父親同士が兄弟になるのだ。
「ホウ、嬉しい知らせとな。それはもしや」
大王大妃は勘の良い人だ。このときも、金淑儀の言わんとするところを正しく理解した。

