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夜明けまでのセレナーデ
第4章 ラプンツェルと聖夜の夜啼鳥
「…ああ…っ…いや…あ…そんな…深…い…」
瑞葉の華奢な腰が痛々しいまでに揺り動かされる。
…何度目かの性交ののち、今は獣が交わるような体位を取らされていた。
「…瑞葉…もっと…もっと私を感じてごらん…。
そうだ…いい子だね…ああ…お前のいやらしい肉はよく締まる…」
…気持ちいいよ、瑞葉…。
甘く囁かれ、うなじを噛まれる。
「…んんっ…!…は…ああ…っ…や…あ…」
余りに快感が濃く深く、瑞葉の感じやすく儚げな身体には受け止め切れない。
ともすれば、すぐに意識を手放しそうになる。
それを現実に引き戻そうとするのは、八雲の低くベルベットのように美しい声だ。

「…もうすぐ、戦争が終わる…。
そうしたら、私たちは自由だ。
…ここを出て、自由の世界へ行こう…」
背後から強く抱き竦められ、唇を奪われる。
「…ああ…」
…自由の世界…
そんな世界があるのだろうか…。
「…誰憚ることなく、お前と愛し合える…この世の楽園だ…。
二人でいこう…。
私の愛おしい瑞葉…」
八雲の動きが激しくなる。
力強い律動に、意識が朦朧とする。
唇を塞がれ、息も絶え絶えになる。

「…ああっ…!…んん…熱…い…!」
体内の一番奥深い場所が、熱い飛沫にしたたかに濡らされる。
砕けそうにか細く白い身体が弓なりに反る。
…同時に、男の精に濡らされた淫肉が収縮し、痺れるような快美感に覆われる。

男が愛おしげに微笑む。
「…また中で達したのだね…まるで、女のようだ…」
…可愛い私の瑞葉…。
お前が女でなくて、本当に良かった…。
…そうでなくては、お前を何回孕ませていたか分からない…。

淫靡な…けれどどこまでも優しい囁きとともに、耳朶を強く噛まれた。
「…ああっ…!…いや…あ…また…やく…も…」
青く未熟な花茎から、淫らな蜜が溢れ落ちる…。
…歪んだ…けれどあり得ないほどに心地好い女と男の快楽を、瑞葉は八雲により与えられ、溺れさせられる…。

「…お父様と、言いなさい」
残酷な…けれど途方もなく美しい悪魔の囁きは、麻薬だ。

「…お父様…」

…愛している…。
男の狂おしく熱い口づけに優しく吹き込まれ…奪われ…乱され…瑞葉はもう何も分からなくなった…。




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