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夜明けまでのセレナーデ
第12章 夜明けまでのセレナーデ 〜epilogue〜
薫は肘をつき、暁人の貌に寄せる。
「お前ならなれるさ。
…小父様も喜ぶ」
暁人が薫の小さな貌を持ち上げる。
「…これから世の中がどうなろうと、僕は薫を愛し続ける」
照れ臭くてつい、唇を歪める。
「男同士だけどな。
…絢子小母様に孫の貌は見せられないぞ」
「母様はきっと僕が幸せならそれでいいと仰るよ」
「…楽天家だな、相変わらず」
皮肉を吐こうとするその唇を、柔らかく塞がれる。
「薫がずっと側に居てくれたら…僕は永遠に幸せだ」
…相変わらずキザだな…と、揶揄しようとした薫は…
「…それは僕が言おうとしたセリフだ、ばか」
と、不機嫌そうに唇を尖らせ…
けれど次の瞬間、誰にもみせたことがない甘やかな微笑みを浮かべた。
「…愛してる、暁人…」
息を飲んだ暁人が何が呟く前に、その唇を甘く…優しいキスで塞いだ。
…やがて天窓越しから、林に住まう小夜啼鳥の啼き声が静かに…漣のように聞こえてくるのだった。
「夜明けまでのセレナーデ」 〜la fin〜
「お前ならなれるさ。
…小父様も喜ぶ」
暁人が薫の小さな貌を持ち上げる。
「…これから世の中がどうなろうと、僕は薫を愛し続ける」
照れ臭くてつい、唇を歪める。
「男同士だけどな。
…絢子小母様に孫の貌は見せられないぞ」
「母様はきっと僕が幸せならそれでいいと仰るよ」
「…楽天家だな、相変わらず」
皮肉を吐こうとするその唇を、柔らかく塞がれる。
「薫がずっと側に居てくれたら…僕は永遠に幸せだ」
…相変わらずキザだな…と、揶揄しようとした薫は…
「…それは僕が言おうとしたセリフだ、ばか」
と、不機嫌そうに唇を尖らせ…
けれど次の瞬間、誰にもみせたことがない甘やかな微笑みを浮かべた。
「…愛してる、暁人…」
息を飲んだ暁人が何が呟く前に、その唇を甘く…優しいキスで塞いだ。
…やがて天窓越しから、林に住まう小夜啼鳥の啼き声が静かに…漣のように聞こえてくるのだった。
「夜明けまでのセレナーデ」 〜la fin〜