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夜明けまでのセレナーデ
第12章 夜明けまでのセレナーデ 〜epilogue〜
どさりとシーツの海に身体を投げ出されたかと思うと、そのまま男の逞しい身体の重みに支配される。
「…誰かに…抱かれた…?…それとも抱いた?」
やや強張る真剣な眼差しに、薫は愛おしげに苦笑した。
「…ばか…」
…お前だけだよ…
そう囁きながら口づけをする。
それはすぐに熱い蜜蝋のような粘度と温度を帯び、暁人に情熱的に奪われる。
「…んっ…あ…ああ…」
高い温度の暁人の掌が、薫の夜着の合わせに忍び込む。
その手をすかさず、掴む。
「…お前はどうなんだよ。
…浮気…してないのか?」
暁人がいた士官学校や海軍は同性愛者が多いと聞いていた。
暁人のようなエリートで逞しく聡明な美男子は人気のはずだ。
「浮気なんて、考えたこともなかったよ。
…僕は薫に恋してから、ずっと薫一筋だ」
…この屋根裏部屋で…
そう言って、暁人は子ども時代の玩具や調度品が並べられた部屋を懐かしげに見渡した。
「…ずっと薫を見てきた。
わがままで自分勝手で高慢で…だけど誰よりも繊細で涙脆くて…そして誰よりも美しくて可愛い薫を…」
薫の形の良い眉が顰められる。
「貶すか褒めるかどっちかにしろよ」
柔らかな温かな微笑みで満たされた唇に、キスされる。
「…短所も長所も全部引っくるめて、僕は薫に恋しているんだ」
薫は傲慢な猫のように、しなやかに暁人に馬乗りになる。
「お喋りはもういい。
…早くお前を僕に与えろ。
…全部だ。全部寄越せ」
高貴で驕慢で例えようもなく妖艶な色香を振り撒きながら、薫は笑ってみせた。
「…誰かに…抱かれた…?…それとも抱いた?」
やや強張る真剣な眼差しに、薫は愛おしげに苦笑した。
「…ばか…」
…お前だけだよ…
そう囁きながら口づけをする。
それはすぐに熱い蜜蝋のような粘度と温度を帯び、暁人に情熱的に奪われる。
「…んっ…あ…ああ…」
高い温度の暁人の掌が、薫の夜着の合わせに忍び込む。
その手をすかさず、掴む。
「…お前はどうなんだよ。
…浮気…してないのか?」
暁人がいた士官学校や海軍は同性愛者が多いと聞いていた。
暁人のようなエリートで逞しく聡明な美男子は人気のはずだ。
「浮気なんて、考えたこともなかったよ。
…僕は薫に恋してから、ずっと薫一筋だ」
…この屋根裏部屋で…
そう言って、暁人は子ども時代の玩具や調度品が並べられた部屋を懐かしげに見渡した。
「…ずっと薫を見てきた。
わがままで自分勝手で高慢で…だけど誰よりも繊細で涙脆くて…そして誰よりも美しくて可愛い薫を…」
薫の形の良い眉が顰められる。
「貶すか褒めるかどっちかにしろよ」
柔らかな温かな微笑みで満たされた唇に、キスされる。
「…短所も長所も全部引っくるめて、僕は薫に恋しているんだ」
薫は傲慢な猫のように、しなやかに暁人に馬乗りになる。
「お喋りはもういい。
…早くお前を僕に与えろ。
…全部だ。全部寄越せ」
高貴で驕慢で例えようもなく妖艶な色香を振り撒きながら、薫は笑ってみせた。