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森の中
第10章 10 面影
君枝の日記をパラパラめくる。彼女は何か出来事があるとメモを残すように日付と一行文を書き連ねていた。日記帳はただの学習用のノートで一冊のみだ。聡志との出会いからぽつぽつと現在まで書かれている。
感情的なことは書かれておらず、『妊娠した』とか『瑠美が結婚』など年表のようだった。最後のほうになると『お腹が痛い』『検査する』など病気に対することが書かれており見るのが辛くなった。残り数行のところで『瑠美に恋人ができた』と書かれており目がとまる。
(お母さんたら……)
偶然、冬樹が病院に居て母を見舞った日の日記のようだ。
ゆっくり目を落としていく。
『瑠美がきれいになった』『瑠美が明るくなった』『瑠美が可愛くなった』『もう心配ない』
それで日記は終わっていた。
感情的なことは書かれておらず、『妊娠した』とか『瑠美が結婚』など年表のようだった。最後のほうになると『お腹が痛い』『検査する』など病気に対することが書かれており見るのが辛くなった。残り数行のところで『瑠美に恋人ができた』と書かれており目がとまる。
(お母さんたら……)
偶然、冬樹が病院に居て母を見舞った日の日記のようだ。
ゆっくり目を落としていく。
『瑠美がきれいになった』『瑠美が明るくなった』『瑠美が可愛くなった』『もう心配ない』
それで日記は終わっていた。