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第2章 あいり(36歳)

アタシは、高校卒業と同時に出身地の栃木県から上京して、女子大へ進学する予定であったけど、後期日程の試験におちたのでローニンして代々木にある予備校へ通いながら志望校合格を目指してがんばっていた。

けれど、途中で気持ちがダルくなったので、予備校通いをやめた。

予備校通いをやめたあと、アタシは東京都内の各地を転々としながらバイト生活を続けていた。

アタシは昼夜を問わずに働き通していた。

けれど、５年ほど前にうちの近所の金物屋さんの夫婦から『もうここらへんで人生決めたらどうかなぁ…』とものすごく言いにくい声で言うてきたので、仕方なくお見合いをすることになった。

この時、アタシは31歳になったばかりであった。

仲人夫婦は『はやくいい人見つけて結婚したら。』と言うけど、アタシは恋人を作って結婚をしたいと言う気持ちなんか頭にはなかった。

アタシはその時、青梅街道沿いのマクドの店舗でバイトをしていた。

おひる時でものすごくばたついているときに、仲人さんから電話がかかって来て『あいりちゃんもここらへんで人生決めたらどうかなぁ…』とあつかましく言われたので、仕事中にボーッとした表情になっていた。

その時にアタシは、お客様が注文したダブルチーズバーガーのセットをフィレオフィッシュとかんちがいしたので、お客様を怒らせてしまった。

その際に、先輩の男性クルーから『お見合いができると思って気持ちが舞い上がっているんじゃないのか!?』と強烈な声で言うてから『結婚適齢期に遊びまわっとったんとちゃうで!?』とダメ出しを言われてしまった。