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第2章 あいり(36歳)

そんなギスギスした気持ちを抱えて、翌日に杉並区内にある料亭でお見合いをした。

相手は、六大学卒業の管理職の40前の男性であった。

お見合いの時に、母親がお見合い相手の男性をデキアイしている様子を見たアタシは『アタシ…(お見合い相手)さんと結婚したらノイローゼになってしまうのでイヤ!!』と突き放す声で言うてお見合いをぶち壊したので、仲人さんから思いきり怒鳴られた。

それ以降、アタシは持って来てくださったお見合いに対して『アタシイヤ!!』『アタシは親きょうだいと同居したくない!!』『ボーナスが出ない人だからお見合い受けない!!』などとごねまくっていたので、知らないうちに良縁が逃げてしまった。

その結果、今のダンナ(45歳・管理職)とお見合いをして結婚をした。

今のダンナは、アタシと出会う前に妻を交通事故で亡くしたばかりで、当時生後４ヶ月の長女を抱えていた。

仲人さんはアタシに『(ダンナ)くんは妻を亡くしたばかりで、その上に(長女)ちゃんはおかーさんがいないのだよ!!かわいそうだとは思っていないのか!!』とお小言を並べてから、婚姻届にサインしなさいと命令したので、仕方なく結婚をした。

ダンナは、アタシと再婚をした直後に職場から任されていたお仕事が大失敗をして、責任を負う形でお給料を減らされたのと同時に後始末をしなければならなかった。

そうしたことが原因で、夫婦生活…いえ、家族生活がマヒしていた。