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第2章 あいり(36歳)

『乳房(むね)の奥のドキドキが高まって来たみたいだね…おじょうさんは…ダンナさんに恋をしたいと思っていたのに…わけあって恋ができなかったみたいだったね…』
「アタシ…わけあって…ダンナに恋ができなかったって…」
『そうだよ…さあ…今のうちだったらまだ間に合うと思うよ…ダンナさんは…今ごろおじょうさんを探しに街に出ている頃だと思うみたいだよ…』
「えっ？」
『おじょうさんも早くダンナさんを探しに行くのだよ…さあ…早く…今のうちに探しに行かないと、おじょうさんは一生後悔することになるのだよ。』
「うっ…うん。」

アタシは、イケメンの魔法使いさんの言うとおりに街に出てダンナを探しに行った。

ダンナがアタシを探していると言うことは…

アタシもダンナを探さないと…

アタシは、保育園に電話をして長女のお泊まり保育をお願いした後、ダンナを探しに阿佐ヶ谷の街へ行った。

アタシ…

ダンナに…

好きだと言う気持ちを伝えることができないまま…

リコンしてしまうかもしれない…

イヤ…

そんなのイヤ…

そんなのイヤ…

アタシは、必死になってダンナを探していたけど、どこを探してもみつからなかった。