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親愛なるご主人さま
第1章 プロローグ(鍵箱)
 
 厚さ5センチ程でB5版のその本は瑪瑙(めのう)色の重厚な革製カバーで覆われていた。鈍い光沢が本を手に取る者に対して威圧感を放ち、安易に近づき難いほどの印象を与える。本の裏から表紙に強靭な革の帯が取り付けられており、表紙の帯の中央には金属製の鍵穴があった。つまり鍵を持つ者しかその本を開くことはできないのである。そして革表紙中央には「012」という番号だけが無機質に刻まれていた。
 小さな鍵を差して回し帯を解く。まるで重い扉を開けるが如く、ぶ厚い本の表紙をめくると1ページ目には若い女の顔写真が載っていた。写真撮影のプロによって撮られたことが安易に想像できた。照明、露光、ピント合せが絶妙で瞳と素肌が輝き、被写体をより美しくさせていた。上品で清楚な少女が汚れなくそのまま大人になった印象を、その写真を見る者に与えた。首をやや右に傾け僅かに微笑む唇とすっきりとした鼻筋に育ちの良さを感じ、二重瞼の潤んだ瞳は小動物ように可愛らしかった。年の頃は19か20歳だろうか、口元の小さなホクロは可愛らしさだけでなく大人の色気も併せ持っていた。白く細い首に洒落た飾りのネックレスが映える。石は蒼く光り、サファイアと思われた。そのサファイアを見守るように小さなプレートの飾があり、本の表紙にあった「012」と同じ番号が小さく刻まれていた。本のページの下部には平成XX年12月20日と記され、おそらく撮影した日と思われたが、古さを感じさせない美しい写真である。

 次ページをめくると、この謎の本の意味合いが一瞬で理解出来て、見るものを釘付けにしてしまう。
 
 2ページ目もその女の写真であるが、首の蒼いネックレスが赤い革製の犬の首輪に変わっていた。金属の金輪が付いており、そこに「012」と書かれた番号札が下げられている、その佇まいがなんとも言い難い淫靡で倒錯的な空気を醸し出す写真である。床に跪いて三つ指を着きカメラ目線で見上げるようなポーズをとっている。
 
 そして・・・服は着ておらず全裸であった。



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