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親愛なるご主人さま
第13章 競売第二幕 純子

「まだです。まだ、お待ちください」
オークションの仕切り役の圭吾がステージでマイクで慌てて抑えようとするが、最前列に座るアジア系の外国人バイヤーが更に上乗せコールする.
「Hey!My Price is One Five 」
「Sorry Mr, Show time continues. so wait !」
玲子がマイクを取り流暢な英語でやんわりと対応した。
「Show me the hip! Junko !」
「はい。はい。プレゼンテーションはこれからですよ。フフフ」
仁は余裕で客達の興奮を受け止めた。
「純子!回れ右だ!海外からのお客様のご要望だ」
バシっ!
仁が平手で双臀を叩くと涙目で素直に応じた。
「は、はい・・・」
白くプルンと柔らかな純子の尻にスポットライトが当たると、ヒュ~という口笛や歓声がまた沸いた。今日ここに来た会員の中には機内で勤務していた純子を知っているマニアなファン達がいる。UALの制服のタイトスカートの上からしか見ることが出来なかったムチっと張った尻が、今はスカートも下着も何も遮ることなく生で目の前にあることに興奮を隠しきれず舌なめずりしていた。
会場のVIP席に座る国土交通省官僚で大臣補佐官の黒磯健司もその一人だ。今日は社会的立場上もあり、ベネチアンマスクをして顔を隠している。 純子とは欧州への出張の際にファーストクラスの席で見初め、その後も純子が乗る便を調べ上げ、海外へのカラ出張を繰り返し、機内や空港で高級官僚の身分を自慢げにちらつかせ、何度も純子をデートに誘い高級ブランドのバッグやアクセサリーも贈ったが、いつもつれない返事だった。収まらない黒磯はある時、ワインに酔った勢いのまま機内で純子の尻や胸にタッチしたり抱き着いたり傍若無人なセクハラをすると、機内の大衆の前で純子に平手で頬を叩かれて騒動となり、黒磯は省内の懲罰委員会から厳重注意と減俸を命じられた。それをマスコミが嗅ぎ付けた。セクハラ報道の一歩手前で国交省はマスコミを抑えつけようと、ミスター“X”の強大な闇の力を借りた。一方UAL社にとっても国交省が相手では立場が弱く、黒磯をひっぱたいた純子をお咎めなしにはできず、自宅謹慎を経て地上勤務の配置転換へ辞令を出すが、強気な純子はこれを拒否した。
「私は被害者よ!」

