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親愛なるご主人さま
第21章 宴のあと

 圭吾がオークションの終了と共に彼女らは屋敷を離れ“X”社の施設に戻されたことを説明し、今夜はお引き取り願うと、渋々ながら彼らも帰り支度を始めた。(実際にはまだ屋敷内にいて、地下の隔離された鉄格子の檻の中でメイド服を脱がされ放置されたままだったが・・・)

 やっと最後の客が帰ったと思い、裏庭の駐車場に出てみるとまだ一台車が停まっていた。


(ん?もしや!・・S君が来たのか!?)

 圭吾は思わず駆け寄ったが、タバコを咥えてベンツの中から出てきたのはしょぼくれた中年の運転手だった。聞くとあの黒磯健司の雇われ運転手で、帰るのを待っていると言う。

 圭吾たちは屋敷に戻って黒磯を探した。

「ぁあああ・・・ぅうぅ・・・」

 中から女の喘ぎ声が聞こえる小部屋があった。扉を開けると、黒磯が勝手に部屋を使い、ベッドに仰向けになっていた。顔はベネチアンマスクでおらず、腹の上には後ろ手に縛り上げられた沙耶香を騎乗位で乗せ、下からグイグイ突き上げていた。
 沙耶香は目の焦点が合わず、半開きの口の端から涎を垂らし、汗に濡れる髪を額や首筋に張り付かせて放心状態だ。既に数回アクメに逝かされたのだろう。喘ぐ声も擦れ、もはや清楚な女子大生の面影はなかった。

「お楽しみのところ失礼ですが、今夜はもうお開きですのよ。黒磯様」

 玲子がベット脇に近づき、いい加減に帰れと言いたいところを、やんわりと声を掛けた。

「おや、これは玲子女王様。どうです女王様も加わって一緒に楽しみませんか?」

 黒磯は詫びれもせず腰の上下動を続けながら言った。

 次期内閣の大臣候補の高級官僚。今のこの痴態を写真に撮って週刊誌に売り込めば、さぞ高価で買われることだろうと玲子は思った。

「買ってすぐ一気に楽しんでしまうと、これだけ若く可愛い奴隷でも飽きてしまいますよ。もっとお時間掛けて、ゆっくりネチネチと弄らないと・・・」

 圭吾もそう言う口元は笑っているが、その目には黒崎への蔑みも含んでいた。

「フフフ、そうか。この娘が、オネダリするもんでねぇ。ついつい・・・あ、ところで“X“さんは?」

「もう東京に帰りましたよ」

「なんだって?もういないの?この娘を囲う家を世話してもらう相談があったのになぁ、くそっ」

「急ぎ追いかけて、東京でご相談なさったらいかがですか?」

「うん。そうするかな・・・」


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