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親愛なるご主人さま
第24章 野獣 対 女豹
 
 玲子は“X”の手で中途半端に引きちぎられたブラウスとブラジャーを脱ぎ捨てた。上半身は裸になり88センチのバストを汗に輝かせ、下は薄紫色のパンティーとシームが入った黒のガーターストッキングだけの姿になった。

 玲子はバストを揺らしながら広間の壁の一角に向かってゆっくりと歩んだ。壁にあるフック付きの鎖を上下させるレバースイッチをオンにした。

 ギリギリギリ・・・


 天井の滑車が動き、鎖が巻き上がる。フックに結ばれた一本鞭は絡んで解けず、首を吊られた“X”は床からつま先立ちになった。

 「ぐぅ・・おい、やめろ!」

 「女王様にお許しをいただくなら、もうちょっとモノの言いようがあるのではなくてぇ?“X”さん」

 「わかった。取引しよう。5億でどや?」

 「警察への口止料と命乞いで合わせて、たったの5?・・いやだね!」

 玲子はレバースイッチに再び指を掛けた。少しだけ鎖が巻き上がり“X”のつま先が床からわずかに離れそうになる。

 鞭が巻き付いた首が締まり“X”の顔はうっ血して紫色に変色しはじめた。鼻の穴を開き口でパクパクと息をする。

 「うぐぐっ・・・・お前らだって・・ううう・・困るだろう・・・俺から・・・・調教依頼がなくなって・・」

 「この商売からそろそろ足洗ってもいいって思ってたところよ」

 「あぅうう・・右京だ。菜穂子を欲しがって・・あのジジイの頼みで、香月慎一郎を・・・」

 「そぉなの? でも、もうどうでもいいわ。それにしてもおしゃべりな雄ゴリラだこと・・少し大人しくしててね」

 玲子は右足のガーターストッキングを脱ぐと手で丸めて“X”の口に詰め込んだ。次いで腿に巻いて留めていた赤いガーターベルトも脱ぐとストッキングを詰め込んだ“X”の口に猿轡のように嵌めて留めた。



 「ぐぐっ・・・・ぐぅぅずい・・・(苦しい・・・) ひぃぃぃ・・お助け・・・」



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