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親愛なるご主人さま
第26章 悪夢の女医

矢島はすっかりレイラのペースにハマり、素直な下僕と化して体よく追い払われた。
「ウフフ・・・あ、やっしーくん。帰る前にひとつだけ聞かせて。 この女の死体発見の現場にピアスのようなもの落ちてなかったかな?」
「ピアス?」
「そう、イヤリングのような、金の輪とか・・・」
「あの・・鑑識からお聞きと思いますが・・・とにかく、なーんにも現場には落ちてなくて・・・・」
「そう・・・・うん、ならいいわ。おやすみ、やっしー坊や。ウフフっ」
「おやすみなさい。レイラ女王様・・・ぁあ・・・」
矢島は付属センターを後にした。
家に帰る車の中で、矢島は北条レイラのことを思って頭がポーっとしていた。身体の奥からムラムラと湧き上がるような疼きを感じて無意識のうちに運転しながらズボンの前を開き左手で硬くなったモノを擦っていた。車が右に左にフラつくように蛇行して、後ろから来たトラックに激しくクラクションを鳴らされた。危うく激突するところだった。
矢島は醒めるどころか、いよいよムラムラ我慢できなくなって車を道路わきに停め、ポケットからティッシュを取り出した。レイラと出会った頃に思いを馳せながら本格的にオナニーし始めた。3年前の悪夢を払拭するどころか、今夜、再び淫魔に毒されたようだった。
魔性の女、北条レイラは3年前と同じだった。初めて会ったのは、ある猟奇的殺人事件の重要参考人としての事情聴取。正にミイラ捕りがミイラになる始まりだった。魔性の手練れの女の免疫はおろか、30歳近くなっても女性経験が全くない矢島は北条レイラに“ドハマり“した。会って数日後、刑事の安月給をはたいて買ったネックレスの貢物を捧げ、顔を紅潮させながら「僕とつき合ってくださいませんか」と交際を申し込んでいた。このときレイラには夫がいると知っていながらだ。

