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親愛なるご主人さま
第29章 失踪、消失

「おい。妄想はよせ。これは刑事課の取り調べだぞ。舐めるなよ!」
「あらいやだわ。舐めるなら、もっといいモノをペロペロしたいわ。刑事さん、舐められるのと、舐めるのはどっちがお好き?ウフッ」
レイラは何食わぬ顔でタイトスカートの脚を組み替え、ストッキングを穿いていない生脚の太ももを晒しながら、上目使いで小田村の目を覗き込んだ。
「ぅ・・ん・・ぅぐ・・・」
ゴクッと唾を飲み小田村は次の質問に詰まった。
漂うフェロモンと目に飛び込む白い腿肉に甘い声、部屋の隅の机で調書を書く若い刑事の三村の方は既にペンを置き、顔を伏せて膨らむ股間を両手で押さえてい
同時刻。北条レイラの取り調べと並行して、『身元不明遺体 行方不明事件』の盗難現場である県警付属センターの遺体安置室では鑑識課員数名が懸命に現場調査検証をしていた。
現場の写真撮影、床の上のチリや髪の毛の採取、医療器具やドアノブなどに残る指紋の採取などだ。特殊粉で浮き上がらせた指紋の痕を高解像度のカメラに撮り、県警本部の科捜研のコンピューターに取り込み、指紋データの参照解析を急いでいた。
その時、
「っえー!こ、こん、こんな、まさか!!!・・・しょ、所長!所長! こ、これを見てください」
柳田という担当官はパソコンのモニターを見て、席から飛び上がらんばかりに立ち上がり、驚きと共に背筋がおぞけるような恐怖を感じていた。
安置室のドアノブと北条レイラのロッカーから採取した指紋痕の中に“菜穂子の指紋”が検出されたのである。
2ヶ月後・・・・
新潟県警は警視庁の協力も得ながら必死の捜査を続けている。
だが、いまだに菜穂子は消えたまま、行方不明である。
親愛なるご主人様 「菜穂子編」<完>
「迷宮への旅路編」へ続く

