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強姦魔
第10章 絶対に許すな!
インターフォンを押していたのは夫の兄夫婦だった。
長い時間、見かけぬ車が停まっているのを不審に思い、様子を見に来ていたのだ。
「弥生さん、どうしたんだ!」
「お、男が……」
全裸で震えている弥生に、夫の兄は着ていたジャンパーを脱いで、その体を包むと、「頼むぞ」と妻に任せ、家の中に入っていった。
「お前、何をやったんだ!」
「うるせー!」
逃げようとしていた男と格闘になったが、なにせ相手は大男。捕まえることは出来なかった。だが、男の特徴は正確に把握した。また、妻も男の車の№を紙に書き写していた。
通報を受けて駆け付けた警察官は指紋採取に成功し、悪魔の正体が判明した。婦女暴行の常習犯、空手3段の猛者、石上(いしがみ)正一(しょういち)だ。
「あの野郎か、許さねえ」
所轄警察署の副署長は全署員を集めると、激を飛ばした。
「いいか、寝る間はないぞ!」
「分ってますよ」
「よし、全員出動だ!」
沸き立つ署内、こんどこそあいつを捕まえるぞ!それは全員の強い思いだった。