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強姦魔
第14章 悪魔の終焉
「しかし、事件を起こさせないということについては、反省すべきことが多々ありだな」
捜査本部解散後、報告に来た副署長と担当刑事を前に、署長は半年前からの不審事案リストを広げていた。
〝野球帽を被った40歳くらいの男〟
〝180cmくらいの大柄な男〟
「石上正一だったな」
「仰る通りです。日頃の地域巡回時にもう少し目を凝らしていれば防げた事件です」
「苦い経験だが、これを活かさねばいかんな」
「はい。署員全員に徹底します」
「そうだな。頼むぞ」
二人が出て行った後、署長は残っていたお茶を一口啜ったが、旨いものではなかった。
(了)