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女子高生香織の痴漢列車
第1章 痴漢列車

(え? 何? まさか……いや、荷物?)
仮に荷物だとしても不快には違いないので、香織は身をよじって逃れようとした。しかしそれは執拗に彼女に触れ続ける。
(まったく、いい加減にしてよねっ!)
委員会の疲れもあってかイライラしながら、香織は荷物をがんがん当ててくる迷惑客に文句の一つでも言ってやろうと顔を後ろに向けた。
「ちょっと! あなた……ねぇ……」
勢い良く切り出した言葉はたちまちに尻すぼみになってしまった。
振り向いて目があったのは上質そうなスーツに身を包み、銀縁の眼鏡をかけた壮年の男。やり手の弁護士か会社のCEOだと言われても納得しそうなカリスマ性がにじみ出ている。その顔は、締まった表情で街を歩けばすれ違う中年女性たちがたちまち黄色い歓声を上げて卒倒してもおかしくないほど眉目秀麗に見える。
しかし今は薄い唇を醜悪に歪め、切れ長の瞳の奥には仄暗い劣情の炎が揺らめいているのが見てとれた。
香織は視線だけ動かして男の腕をなぞる。
肩から伸びる上腕、前腕、そしてその先。掌は体の影に隠れて見えなかった。しかし……。
仮に荷物だとしても不快には違いないので、香織は身をよじって逃れようとした。しかしそれは執拗に彼女に触れ続ける。
(まったく、いい加減にしてよねっ!)
委員会の疲れもあってかイライラしながら、香織は荷物をがんがん当ててくる迷惑客に文句の一つでも言ってやろうと顔を後ろに向けた。
「ちょっと! あなた……ねぇ……」
勢い良く切り出した言葉はたちまちに尻すぼみになってしまった。
振り向いて目があったのは上質そうなスーツに身を包み、銀縁の眼鏡をかけた壮年の男。やり手の弁護士か会社のCEOだと言われても納得しそうなカリスマ性がにじみ出ている。その顔は、締まった表情で街を歩けばすれ違う中年女性たちがたちまち黄色い歓声を上げて卒倒してもおかしくないほど眉目秀麗に見える。
しかし今は薄い唇を醜悪に歪め、切れ長の瞳の奥には仄暗い劣情の炎が揺らめいているのが見てとれた。
香織は視線だけ動かして男の腕をなぞる。
肩から伸びる上腕、前腕、そしてその先。掌は体の影に隠れて見えなかった。しかし……。

