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溺れるくらいに愛して
第1章 溺れるくらいに愛して
***
目を開けるとかなりの時を浪費していた。お腹の子は、さすがに流れたらしい。それで良かった。犯罪者のあたしなんかに育てられる子どものほうが可哀想だ。自業自得な結果。
目を覚ましてからあたしの裁判が行われた。人、一人殺しているのに生きている。その事実におかしくなった心はさらにおかしくなりそうだ。死にきれない。死に損ない。死に損なうことは地獄よりももっと苦しい。望んだ結末にさえなれなかった。
あぁ、救いのない。救いようのないあたしの人生。だけど一つだけ願いたいことがあるならば……。
誰か……
溺れるくらいにあたしを愛して――。
Fin.