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泥だらけのお姫様
第10章 【番外編】幼女な姫と優しい王子
父親が死んだ。母さんから連絡を受けた時、俺の感情は悲しみではなく、ざまぁみろ……だった。
俺は中学受験という名の元に家から逃げた。父さんが怖かった。それだけじゃない。
修学旅行から帰宅した日に見たゴミ袋に捨てられていた赤の染み付いたベビードール。深夜、トイレに起きた時に聞こえてきたネチャネチャとした音と喘ぐ声。扉の隙間から覗いた。そこには女がいた。母さんに女を感じて、幼かった俺のソコが勃起するのを感じた。性教育で軽く知っていたから恥ずかしくなった。こんな気持ち、父さんに知られたら何をされるか……それを考えると怖くて、遠くに逃げた。
お通夜とお葬式が終わって久しぶりに実家に帰る。
俺はメンタルクリニックの袋とオムツだけが入ったゴミ箱を見つけた。部屋を見渡すと防水シートらしきものもチラッと見えた。
「母さん……これ……」
母さんの部屋に入るとオムツの袋と黒く塗り潰されたノートがテーブルの上に散乱していた。
「ごめんね……私……弱いからさ、心が壊れちゃったみたい。大人なのにね、子どもに戻ってしまう時が……体はどこも悪くないのにね、おねしょとか……治らないどころか悪化してくの。こんな私が母親で……ごめんね……」
俺は母さんを後ろから抱き締めて、耳元で囁いた。チャンスは今。そう思ったから。
「ごめん。俺が……逃げたから。遠い学校に通ったから」
「違うの……」
俺は中学受験という名の元に家から逃げた。父さんが怖かった。それだけじゃない。
修学旅行から帰宅した日に見たゴミ袋に捨てられていた赤の染み付いたベビードール。深夜、トイレに起きた時に聞こえてきたネチャネチャとした音と喘ぐ声。扉の隙間から覗いた。そこには女がいた。母さんに女を感じて、幼かった俺のソコが勃起するのを感じた。性教育で軽く知っていたから恥ずかしくなった。こんな気持ち、父さんに知られたら何をされるか……それを考えると怖くて、遠くに逃げた。
お通夜とお葬式が終わって久しぶりに実家に帰る。
俺はメンタルクリニックの袋とオムツだけが入ったゴミ箱を見つけた。部屋を見渡すと防水シートらしきものもチラッと見えた。
「母さん……これ……」
母さんの部屋に入るとオムツの袋と黒く塗り潰されたノートがテーブルの上に散乱していた。
「ごめんね……私……弱いからさ、心が壊れちゃったみたい。大人なのにね、子どもに戻ってしまう時が……体はどこも悪くないのにね、おねしょとか……治らないどころか悪化してくの。こんな私が母親で……ごめんね……」
俺は母さんを後ろから抱き締めて、耳元で囁いた。チャンスは今。そう思ったから。
「ごめん。俺が……逃げたから。遠い学校に通ったから」
「違うの……」