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降りしきる黄金の雫は
第5章 5 金木犀はこう言った
「あなたはどうして現れたのですか? その姿で。いつから? 目的はなんなのです?」
深い緑の瞳が僕を射るように見つめる。そして彼が語り始める。
「この姿になったのはお前が私に血を与えてからだ。理由はわからない。目的があるとすれば生命を得続けることと繁殖だ。それはお前たちも同じなのだろう」
「えーっと……」
彼は姿が人間ではあるが木なのだ。彼を見つめながら考えてはみるものの上手く状況をとらえることが出来ない。
「何歳ですか?」
思わずどうでも良さそうな質問をしてしまったが、彼は表情を変えずに答える。
「この一個になってから25年だ」
「元々はどうだったんですか? 良かったらあなたの成り立ちを教えていただけませんか」
不思議過ぎて眉間がつーんとする。
「覚えている最初から話そう」
こうして彼の歴史を聞くことにした。
深い緑の瞳が僕を射るように見つめる。そして彼が語り始める。
「この姿になったのはお前が私に血を与えてからだ。理由はわからない。目的があるとすれば生命を得続けることと繁殖だ。それはお前たちも同じなのだろう」
「えーっと……」
彼は姿が人間ではあるが木なのだ。彼を見つめながら考えてはみるものの上手く状況をとらえることが出来ない。
「何歳ですか?」
思わずどうでも良さそうな質問をしてしまったが、彼は表情を変えずに答える。
「この一個になってから25年だ」
「元々はどうだったんですか? 良かったらあなたの成り立ちを教えていただけませんか」
不思議過ぎて眉間がつーんとする。
「覚えている最初から話そう」
こうして彼の歴史を聞くことにした。