この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
降りしきる黄金の雫は
第1章 1 植木
こざっぱりとした庭の木々を眺めて帰宅していると、大家さんが唸っているのが聞こえて足を止めた。
「どうしたんですか?渡辺さん」
「んん?ああ、影島君、今帰りかね?ちょっとこの木を見てくれんかね」
「ああ、いいですよ。お邪魔します」
庭先に入り大家さんの目の前の木を眺める。2メートル近い綺麗に剪定されている金木犀だが、この時期にまだ花をつけていない。
「散った後でもないですよねえ」
「そうなんだよ。知り合いから譲ってもらったんだが全然咲かないんだ。なかなか由緒のある木らしいんだが、どうも色々整頓を始めてなあ。植物もあちこちに譲っているようで、うちはまあまあ庭が広いからってこいつが来たわけだが、咲かない金木犀をもらってもなあ……」
木肌を撫でたが、弱くはなく葉も艶やかな緑だ。
「病気はなさそうだし、むしろ元気ですけどね」
「うーむ」
「どうしたんですか?渡辺さん」
「んん?ああ、影島君、今帰りかね?ちょっとこの木を見てくれんかね」
「ああ、いいですよ。お邪魔します」
庭先に入り大家さんの目の前の木を眺める。2メートル近い綺麗に剪定されている金木犀だが、この時期にまだ花をつけていない。
「散った後でもないですよねえ」
「そうなんだよ。知り合いから譲ってもらったんだが全然咲かないんだ。なかなか由緒のある木らしいんだが、どうも色々整頓を始めてなあ。植物もあちこちに譲っているようで、うちはまあまあ庭が広いからってこいつが来たわけだが、咲かない金木犀をもらってもなあ……」
木肌を撫でたが、弱くはなく葉も艶やかな緑だ。
「病気はなさそうだし、むしろ元気ですけどね」
「うーむ」