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降りしきる黄金の雫は
第10章 10 告白
「最近のお前は、どっか行ってしまいそうだ。告白は一生するつもりはなかった。そばにさえ居てくれてたらって」
「ど、どこにも行きませんよ。先輩のおかげでとても満足してます。ずっと居させてほしいと思うのは僕の方です」

「違う。そういう意味じゃないんだ」

先輩の抱きしめる力が強くなってくる。

「せん、ぱい。苦し……」
「あ、す、すまん」

ぱっと身体を離すと彼はため息をついた。沈黙が流れ僕は「失礼します」と頭を下げ車から降りると、もう先輩は引き留めることなく「すまなかった、また……明日」と言ってから車を出した。
赤い車が見えなくなるまで僕は家の前で見送った。

月もなく真っ暗闇で見えない天井を見ていると甘い香りが忍び込んでいた。僕は起き上がって彼を迎える。いつものようにふわりとしたローブの中に顔をうずめ、香りを吸い込む。そのままベッドになだれ込む様に横たわる。
口づけを求めると彼はじっと僕を見つめ「いつもと違う匂いがする」と言う。

「えっ」

風呂に入ったが先輩の香りが残っているのだろうか。
先輩とのことを話してよいものなのか判断が付かず困惑していると「言わなくてもよい」と唇をふさがれた。
甘い息を吸っていると、さっきまで悩んでいた先輩とのことが薄れていく。気が付くと僕は歓びの声をあげて桂さんにしがみついていた。
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