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降りしきる黄金の雫は
第11章 11 異変
「苗木だけしかその色は見えなかったんです」

今日の出来事を桂さんに話す。

「人間でいうと赤ん坊のようなもので、四方八方に生命力が放出されているのだろう」
「なるほど」

納得して頷いていると桂さんが僕の頬に手を添え目を覗き込んだ。

「お前はこちら側にき始めているのかもしれない」
「えっ、桂さんに近くなってるってことですか?」

彼は答えずに沈黙する。

「私も――お前たちに近づいているかもしれない」

遠い目をする桂さんに僕は腕を回し抱きしめる。

「僕は嬉しい。桂さんにもっと近くなりたい。そして――ずっとずっと桂さんと一緒に居たい」

永遠の命を持つだろう彼に命の限りのある僕が願うことだった。
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