この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
降りしきる黄金の雫は
第14章 14 検査
会社の健康診断の結果、僕は再検査になってしまった。といっても、よくあることで再検査の結果は大事に至らない。いつものことだと思っていても岡田先輩が許してくれないので、毎年、結局病院で精密検査を受けることになっている。
「今年も同じですよ」
「まあ、それなら、それでいいんだ」
検診で胃に影があると言われ、胃カメラを飲んだ。今は結果待ちだ。
「あとでうまいもの食いに行こう。食えるだろ?」
「ええ。胃カメラの後、2日くらい食欲なかったですね」
子供のころから検査慣れはしているが、やはり堪える。その間、桂さんが栄養を与えてくれたが愛し合うことは止められていた。
「影島さーん」
看護師に名前を呼ばれ立ち上がると、「あ、ご家族もご一緒に」と岡田先輩にも声を掛ける。
「先輩くるんですか?」
「まあ、一応な」
「なんか大げさだなあ」
笑ったが、決して大げさではなかった。
癌が見つかったからだ。
「今年も同じですよ」
「まあ、それなら、それでいいんだ」
検診で胃に影があると言われ、胃カメラを飲んだ。今は結果待ちだ。
「あとでうまいもの食いに行こう。食えるだろ?」
「ええ。胃カメラの後、2日くらい食欲なかったですね」
子供のころから検査慣れはしているが、やはり堪える。その間、桂さんが栄養を与えてくれたが愛し合うことは止められていた。
「影島さーん」
看護師に名前を呼ばれ立ち上がると、「あ、ご家族もご一緒に」と岡田先輩にも声を掛ける。
「先輩くるんですか?」
「まあ、一応な」
「なんか大げさだなあ」
笑ったが、決して大げさではなかった。
癌が見つかったからだ。