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降りしきる黄金の雫は
第15章 15 献身
余命宣告をされたというのに特に身体に不調はなかった。毎日普通に出勤し、仕事をして帰り、夜は桂さんと過ごす幸せな毎日だ。
仕事の都合もあるので引き継ぎのため、僕の状態を会社の同僚たちと付き合いのある近しい人たちに告げた。やはり皆、悲壮な表情を向ける。

「影島さん、それ僕やりますよ」

大黒君が僕の持つスコップを慌てて取ろうと駆け寄った。これから植木を掘り起こすところだったのだ。

「いいよいいよ。大したことないから」
「いえっ、こんな雑用は僕がやりますって」
「そう?」
「はいっ!」

軽作業もさせられなくなってきている。善意で僕に負担を掛けまいとしてくれているのだが普段通りでいいのになあと苦笑する。
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