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監禁束縛〜裏切りと暗殺者の最期〜
第7章 命の残量
「シェリル様、少しの間じっとしてて下さいね?後これ(聴診器)当ててる時は深呼吸して下さい」

「えっ?あ、はい…」

(あれって聴診器だよね?なんで持ってるの??)

シェリルは不思議そうにしつつ、言われた通りに大人しくしていた。

「………」

(………これは……)

「旦那様、少しよろしいでしょうか?」

「……ああ」

聴診器で胸の音を確認したクルトは一瞬眉間に皺を寄せてノエルと部屋の隅に移動した。

「旦那様、シェリル様の心臓に酷い雑音が聞こえます。いつ心臓が止まってもおかしくないかと」

「!!……原因は?」

ノエルは一瞬目を見開き、深呼吸をすると問い掛けた。

「……おそらく屍姦のし過ぎかと。元々心臓の持病があれば暗殺など出来るはずはないでしょうし。何度も心臓を止めて我々の蘇生魔法で生き返らせてを繰り返した結果、心臓に負担を掛けてしまったと思われます。
人間の身体は我々と違ってかなり脆いモノですから……命の残量はもうほとんど残っていないかもしれません」

クルトはある程度医学に心得があり人間の心臓の病気について知識があった。

「………そうか。それはまた蘇生魔法を使っても生き返らないという事か?」

「はい。命の残量がなくなった者を蘇生させる事はさすがに無理です。我々もですが、人間の命はたった一つなのですから…」

二人の間に重苦しい沈黙が流れた。

「……あとどれくらいもつんだ?」

「……いつものように犯して無理させると一週間もつかどうか……薬を投与して治癒魔法を施して一週間ギリギリといった所でしょうか。無理させなくても恐らくは余命一ヶ月といった所でしょう」

「………人間は脆いな」

「ええ、全く…」

二人は自分に否はないといった様子だった。

「ロザリーはどうなんだ?」

「ロザリー様はまだ大丈夫だとは思います……シェリル様よりは頻度(屍姦の)が少ないですし、ですが心音を聴いてきます」

「ああ。後、薬は注射でいいから持ってきてくれ」

「はっ、畏まりました」

クルトは頭を下げると部屋から出て行き医務室に向かうと薬(注射)を持ってまずはロザリーの部屋に向かった。
ロザリーは部屋のベッドの上で死んだように眠っていた。
クルトは起こさないようにロザリーの心音を聴いた。
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