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ご褒美はキミ
第7章 望んでいるのは
「……うん、」

高志先輩は何度も頭を優しく撫でてくれた。
それでも涙は止まらなくて、高志先輩に抱きつきたいのに腕が上がらなくて、余計に泣いてしまっていた。

豊先輩が手をさすって痺れを和らげてくれる。


「ごめん、やり過ぎたな」

充輝先輩が泣きそうな声を出した。

口を開いても出てくるのは嗚咽ばかりで、首を左右に振るのが精一杯。


……ち…がう、の。


謝って欲しいわけじゃない。
充輝先輩の泣きそうな声を聞くだけで苦しくなって、どうしたら良いのか分からなくなる。


けれど、その思いは言葉にならなかった。


腕が動かせるようになると、気だるい体を動かして高志先輩にしがみついた。
高志先輩は私を抱き上げるとソファに座り、子供をあやすように、膝の上に乗せた私を揺らし始めた。
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