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ご褒美はキミ
第9章 欲しいのはキミ ②
高志先輩がさらに入ってくる。

「千切れる…から、力抜いて」

首を左右に動かして必死に腕を振り上げて、触れた高志先輩の肩を突き放すように力をこめた。


「最後までしたいって真帆が言ったんだよ。拒絶しないで」

豊先輩がなだめるように囁いて、耳に柔らかい唇を押しあててきた。


言った、けど……


こんなことされるなんて思っていなかった。
ただ、充輝先輩の願い事を叶えないと……って、
約束だから……
でも、こんな……っ!


「止めて欲しい?」

腰を少し離して、高志先輩が獰猛な瞳をゆっくりと近づけてきた。

何度も魅せられた高志先輩の野性的な姿だけれど、初めて見たような気がして体が粟立つ。

いつもの穏やかな高志先輩はそこにいない。

「言ったでしょ?」

いるのは、飢えに似た苦しみに恍惚として、下舐めずりをする獰猛な獣だった。
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