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ご褒美はキミ
第1章 プロローグ
先に会場入りしている先輩たちとの待ち合わせ時間まで、あと三十分。
家に帰って新しく作る時間なんてない。


どうしよう……。


先輩たちの笑顔を思い出すだけで、心臓がギュッと痛くなる。


「真帆が作ったお弁当じゃないと意味がないみたい」

「美味しくて、幸せな気分にさせてくれるからかな?」

「力が沸いてくるって言うか、ものすごく調子が良くなるんだ」


先輩たちにそう言われたのは、知り合って間もない頃。

大げさに褒めてくれたのだと思う。
それでも、お弁当を頬張る先輩たちがとても幸せそうだったから、嬉しかった。
先輩たちを見ているだけで、私も幸せになれた。


「じゃあ、これからもお弁当を作って応援に行きますね」


あれからずっと、その約束を守ってきたのに……。
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