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ご褒美はキミ
第5章 脱いでいく
高志先輩が小声で何かを言うと、充輝先輩は渋々といった感じで頷いた。

……な、に?

ふわふわとして落ち着かない思考の中で、必死になって考えようとした。
けれど、答えは見つかりそうにない。


「真帆の番だよ」

高志先輩が、私の手のひらに何かを握らせる。


……なに?


確かめようと手を広げると、それはコロコロと転がり落ちた。

足にぶつかって、さらに転がって行ったのはサイコロ。

「コマ、進めるね」

「……真帆も好きだね」

高志先輩がコマを置いたマスを見て、豊先輩が笑った。


「……すき?」

「うん、好き。もう一回やってほしいなんて、よっぽど気に入ったんだね」

「……?」

分からなくて首を傾げていると、豊先輩は私の手にサイコロを握らせた。

「今度は……

俺も参加できるね」
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