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ご褒美はキミ
第6章 麻痺していく
先輩たちを疑うなんて、考えたこともない。

どうして、そんなこと言ったのだろう。

「ちょっと、ごめんな」

私の背中を支えたまま、豊先輩がごそごそと動き始めた。充輝先輩も私の腰を抱きしめて体の位置をずらす。

「な…に……?」

戸惑っていると、充輝先輩の膝から降ろされた。

「充輝、サイコロふるんだって。一緒に待とう?この体勢のが、ラクだろ?」

上半身は豊先輩に預けて、足はソファに投げ出されていた。

体がふらついているから、確かにラクだった。
それでも落ち着かなくて、豊先輩にしがみついて体を小さく折り曲げる。

充輝先輩が妖艶な笑顔で覆いかぶさってきた。

「すぐ戻るから」

額にキスされた。


いつもの優しいキス。


先輩たちはいつも、私のことを思ってくれる。

それを疑うなんて……



できないよ。
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