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狼に囚われた姫君の閨房録
第2章 浪士組結成
「そこまでだ!」
襖が左右に開けられた。仁王立ちしていたのは、試衛館の義兄たちだった。
空は橙色。いつのまにか、夕刻になったようだ。
「そいつは俺たちのものだ。それ以上は、ご遠慮願おうか」
誰もが震え出す歳三の一喝だが、清川八郎は涼しい顔をして私から身を離した。
「話し合いは終わったのか?」
身繕いをしながら尋ねると、
「支度金が減るんで、だいぶ紛糾したけどよ。松平上総介どのが役を降りてケリがついたぜ」
原田左之助がはじき返すように答えた。
「丸くおさまったか。幕府は見込みが甘いのだ」
せせら笑う清川八郎に、総司が唇を歪めた。
「あんたこそ、幕臣のくせに、こんなところで女を手篭めかい?」
「これは女の腕を磨く指導に過ぎぬ」
「何が指導だ? 一発、お見舞いしてやるぜ」
拳を握る永倉新八を、一が手で制した。漆黒の瞳が怒りに燃えていた。
「指導とやらは終わったのか?」
「終わった。消化不良だが、合格としておこう」
「では、失礼させてもらおうか」
一は私に着物を着せ、帯を締め直してくれた。
「あ……あ」
どうしたというのだろう?頭がくらくらする。力が入らなかった。
「媚薬をもられたか……」
一は悔しそうに呟くと、清川八郎を振り返った。
「浪士組の伽に、すみれは合格だと申したな?」
「言ったが?」
「すみれを我ら試衛館の直属としたい。異存はあるまいな?」
「それは、他との兼ね合いもあるが……」
「断わりゃしねえよな?」
原田左之助が腰の刀に手をかける。他の義兄たちも、鯉口を切っていた。
「まあ、よかろう」
あっさりと、清川八郎は答えた。
「すみれ姫を連れて行くがいい。出発までに、女としての手入れを怠るなよ」

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