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狼に囚われた姫君の閨房録
第48章 最終章!局長命令・すみれを殺せ!!(その4)
【すみれ視点】
私の命はもはや風前の灯。ずしっと体が重く、手足がだるい。
余力があるうちに……
「う……うぅ……」
私の中の修羅が喘いだ。
私の体の奥深くに封じ込めるべく、呼吸を止めて脈も止める。
(うぐっ!)
修羅が私の中で苦しそうに暴れ始めた。私から出ようと足掻いているのだ。
私は自分自身を結界に閉じ込め、修羅を己の内側に同化させていく。
(そちは正気か……私が死ねば、その方の命も……)
修羅の声に、私は微笑を返した。
「望むところ……私のせいで多くの命が失われ……生きながらえたとて……なんになりましょうや」
話すのも億劫である。体温が下がっていく。力が入らない。立っていられない。ぐらっと揺れた私の体を一に抱き抱えられた。
「……兄上……さ……」
一の手が柔らかく私の背中を上下する。そのまま抱擁する形になった。
「俺も逝く」
私の体に一の生命の息吹が注がれる。修羅を封じ込める力が強くなる。
「それでは……あまりに……」
そこで、私はやっと気が付いた。
互いにもたれるようにして座り込んでいる総司と三樹三郎。二人がこときれていることに。
総司はもともとの肺結核が死因。三樹三郎は瀕死の重傷。今までもっていたのが不思議であった。
「……いっしょ……に」
あの世では兄たちと一緒だ。一とも一緒だ。
もう……離れ……ない。
私は修羅のすみれ共々絶命し、一も後を追うように息を引き取った。

余談。
すみれたちの死後、違う世界に飛ばされていた江戸町民が江戸に戻った。それを見届けたあと、相馬主計が腹を切って果てた。
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