この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
狼に囚われた姫君の閨房録
第41章 歳三、北に散る

馬を駆りながら刀を振るう歳三はまさに鬼神の如し。容赦なく敵を斬り捨てた。
あちこちで、血飛沫が飛んだ。政府軍も発砲するが、歳三には掠りもしない。
「ええい、不甲斐ない!馬を狙え!!」
指揮官が絶叫した。無数の銃口が歳三の馬に向けられる。
歳三の馬が大地を蹴った。いや、飛んだ。銃隊の上を飛び越えて、歳三は敵をまとめて屠った。
だが、さすがに、全員は仕留められなかった。一人の弾丸が馬の腹に命中した。
「うおっ!」
もんどり打って、落馬する歳三。群がる新政府軍。
その隙をついて、馬上の私は弁天台場へと急いだ。
(振り返るな!行け)
歳三の心の声が響いた。
何発もの銃声に、断末魔の声が混ざった。
(早く行け……行くんだ!)
「急げ、私!」
私は白馬に身を伏せ、駆け続けた。
銃声が追いかけてくる。
もう少し。もう少しで、弁天台場が見えてくる……!
「……あうっ!」
馬の脇腹にかかっていた足を撃ち抜かれた。
落馬しかかった私は手綱をしっかりと握りしめた。全力で馬にしがみつく。
「追え〜っ!逃すな!!」
幸い、馬はかすり傷ひとつなかった。私を乗せたまま、馬はひたすら弁天台場へと駆けた。
あちこちで、血飛沫が飛んだ。政府軍も発砲するが、歳三には掠りもしない。
「ええい、不甲斐ない!馬を狙え!!」
指揮官が絶叫した。無数の銃口が歳三の馬に向けられる。
歳三の馬が大地を蹴った。いや、飛んだ。銃隊の上を飛び越えて、歳三は敵をまとめて屠った。
だが、さすがに、全員は仕留められなかった。一人の弾丸が馬の腹に命中した。
「うおっ!」
もんどり打って、落馬する歳三。群がる新政府軍。
その隙をついて、馬上の私は弁天台場へと急いだ。
(振り返るな!行け)
歳三の心の声が響いた。
何発もの銃声に、断末魔の声が混ざった。
(早く行け……行くんだ!)
「急げ、私!」
私は白馬に身を伏せ、駆け続けた。
銃声が追いかけてくる。
もう少し。もう少しで、弁天台場が見えてくる……!
「……あうっ!」
馬の脇腹にかかっていた足を撃ち抜かれた。
落馬しかかった私は手綱をしっかりと握りしめた。全力で馬にしがみつく。
「追え〜っ!逃すな!!」
幸い、馬はかすり傷ひとつなかった。私を乗せたまま、馬はひたすら弁天台場へと駆けた。

