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こいのうた。
第18章 本性
一華のクラスは廊下の突き当たりのため、放課後になるとあまり人気(ひとけ)がない。
村瀬はそれをいいことに、一華の口をタオルで器用に縛り、教室の隅に引っ張っていく。
「んんんっ!」
一華は必死に抵抗するが、男の力にはかなわない。
「一華があんなにエロいなんて知らなかったよ…僕ともしてくれるよね」
そう言うと一華を押し倒し、ベルトを緩め始める。
「!!」
一華は泣きそうになりながらおさえられた手を振り解こうとするが、力いっぱい締め付けられていた。
「逃げようったって無駄さ」
薄気味悪い笑みをもらして一華を見下ろす村瀬。
「ああいうコトするのが好きなんだろ? 僕はあの男より一華のことを想ってるんだ…だから僕とも……」
その時―――
「おい!」
駆けつけた京丞が村瀬の後ろから制服を掴み、横に投げ飛ばす。
「一華…大丈夫か?」
口を塞いでいたタオルが解かれる。
「…村瀬くん。私は、先輩が好きだからセックスしてるの。誰でも良い訳ないでしょ?! 村瀬くんは間違ってる」
「だってそんな茶髪の奴なんて…やりたいだけだろ……僕は真剣に君が好きだから…」
村瀬の言葉を遮り、京丞が口を開く。
「本気なら、こんなことしないだろ。相手の事をよく考えろ。無理矢理されて嬉しいわけないだろ」
「…っ」
「俺は一華以外とはしない。大切にしてるからな…」
そう言いながら、京丞は優しく一華を見つめる。
「次やったら、お前潰すからな」
悔しそうに跪く村瀬を置いて、二人は教室をあとにする。
「一華ちゃん…遅れてごめん。何かされちゃった?」
「ううん…大丈夫。縛られただけで済んだよ。ありがとう」
そう言う一華の肩は少し震えていた。
「ゴメンね」
そっと一華の肩を抱いて、京丞はそう呟いた。

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