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スカーレット オーク
第24章 24 轆轤(ロクロ)

薪を割っていた直樹は陶芸体験を終えた家族連れと和夫を横目にし、緋紗の様子を見に行った。
扉は開いたままだ。
入ってロクロ台のほうを見ると緋紗がロクロで残った粘土を使って何やら成形している。
緋紗は粘土を螺旋状に滑らかに引き上げていく。
女性の割にゴツゴツした緋紗の手が無駄なく美しく動く。
直樹は岡山で一緒に入った風呂でのことを思い出した。――発情期だな……。
苦笑しながら静かに緋紗に近づき、後ろからそっと緋紗の背中に覆いかぶさり緋紗の両手の上に両手を重ねる。
「あ」
びっくりして緋紗が後ろを振り返ると、すぐ目の前の直樹は笑いながら、「こんな映画知らない?古いけど」と、両手を重ね続けたまま尋ねた。
「も、もちろん。知ってます」
直樹に後ろから抱えられ、耳元に息がかかり、緋紗の手の中の皿はぐしゃぐしゃだ。
「あーあ」
緋紗はぐしゃぐしゃの粘土を心の動揺と裏腹に器用にまとめると一つのきれいな山にした。
「さすが。うまいね」
直樹は緋紗の技術を目の当たりにして素直に感心した。
「続きはまた夜に」
真っ赤になってうつむく緋紗にそう告げてまた持ち場に帰った。
扉は開いたままだ。
入ってロクロ台のほうを見ると緋紗がロクロで残った粘土を使って何やら成形している。
緋紗は粘土を螺旋状に滑らかに引き上げていく。
女性の割にゴツゴツした緋紗の手が無駄なく美しく動く。
直樹は岡山で一緒に入った風呂でのことを思い出した。――発情期だな……。
苦笑しながら静かに緋紗に近づき、後ろからそっと緋紗の背中に覆いかぶさり緋紗の両手の上に両手を重ねる。
「あ」
びっくりして緋紗が後ろを振り返ると、すぐ目の前の直樹は笑いながら、「こんな映画知らない?古いけど」と、両手を重ね続けたまま尋ねた。
「も、もちろん。知ってます」
直樹に後ろから抱えられ、耳元に息がかかり、緋紗の手の中の皿はぐしゃぐしゃだ。
「あーあ」
緋紗はぐしゃぐしゃの粘土を心の動揺と裏腹に器用にまとめると一つのきれいな山にした。
「さすが。うまいね」
直樹は緋紗の技術を目の当たりにして素直に感心した。
「続きはまた夜に」
真っ赤になってうつむく緋紗にそう告げてまた持ち場に帰った。

