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スカーレット オーク
第72章 72 動かせないベッド
「緋紗。いつまでも自由でいてほしい。それでも僕と結婚してほしい」
緋紗は胸がいっぱいで言葉が出ない。
「贅沢はさせてあげられないだろうけど苦労はさせないつもりだから」
「直樹さんと一緒なら苦労したっていい。直樹さんのそばに居られることが私にとって一番贅沢なことだよ」
滲む視界で小さな声を振り絞るように言った。
「愛してる」
再び二人が結ばれる日がやって来た。
「そのペンダントつけていてくれてよかった」
強く抱きしめ合いながら、直樹の香りを緋紗は吸い込む。
「直樹さんもつけててくれたんですね。私の作った香水」
「うん。大事に使っていたんだけど、もうこれで最後なんだ」
「また作ります」
長い間待ち焦がれていた口づけを交わす。――ペネロペはオデュッセイウスと再会したときどんな気持ちだったろう。
抱きしめられながら緋紗は目を閉じて直樹のすべてを堪能する。
「そろそろ我慢の限界かな。こんなに可愛い緋紗を目の前にして」
「私も限界」
直樹は熱ぽく見つめた後、優しく口づけをして、緋紗の髪を耳にかける。
「頭の中では何度も抱いたよ」
「私だって」
「そうだ。プロポーズは受けてくれるのかな?オーケーなら『ダーリン』って呼んで」
「ダーリン、愛してる!」
――ああ。今日は私の誕生日。直樹さんが最高のプレゼント……。
スカーレットオークのベッドはこれから二人の愛し合う時間を木肌に刻み、もっと赤みと艶を増していくだろう。
終わり
緋紗は胸がいっぱいで言葉が出ない。
「贅沢はさせてあげられないだろうけど苦労はさせないつもりだから」
「直樹さんと一緒なら苦労したっていい。直樹さんのそばに居られることが私にとって一番贅沢なことだよ」
滲む視界で小さな声を振り絞るように言った。
「愛してる」
再び二人が結ばれる日がやって来た。
「そのペンダントつけていてくれてよかった」
強く抱きしめ合いながら、直樹の香りを緋紗は吸い込む。
「直樹さんもつけててくれたんですね。私の作った香水」
「うん。大事に使っていたんだけど、もうこれで最後なんだ」
「また作ります」
長い間待ち焦がれていた口づけを交わす。――ペネロペはオデュッセイウスと再会したときどんな気持ちだったろう。
抱きしめられながら緋紗は目を閉じて直樹のすべてを堪能する。
「そろそろ我慢の限界かな。こんなに可愛い緋紗を目の前にして」
「私も限界」
直樹は熱ぽく見つめた後、優しく口づけをして、緋紗の髪を耳にかける。
「頭の中では何度も抱いたよ」
「私だって」
「そうだ。プロポーズは受けてくれるのかな?オーケーなら『ダーリン』って呼んで」
「ダーリン、愛してる!」
――ああ。今日は私の誕生日。直樹さんが最高のプレゼント……。
スカーレットオークのベッドはこれから二人の愛し合う時間を木肌に刻み、もっと赤みと艶を増していくだろう。
終わり