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スカーレット オーク
第38章 38 パーティ
直樹が、「それにしても化粧ってすごいですね。全然顔が変わる」と、話を変えた。――え。そんなに変わったかなあ。
 緋紗は直樹を怪訝そうにみると、「いや。緋紗じゃないよ。昨日の同級生。誰かわからなかったよ。春に同窓会があるらしいんだけど誰が誰だか分からないかも」と、笑って言った。

「まあ化けるよなあ。でも小夜子はすっぴんでも美人だぞ。見せる商売だからいつもしっかり化粧してるけどな」

 和夫がのろけながら言うので直樹は、「子供、小夜子さんに似るといいですね」と、ニヤリとして言った。

「おお~?うん。まあそうだな」

 和夫は機嫌よく納得していた。

 直樹の同窓会の話が気になったが、緋紗は和夫が小夜子を心から愛していることを感じて、自分も幸せな気持ちになる。――家庭か。

 きっと生まれてくる子供は和夫と小夜子をより幸福にするだろう。
まだ見ぬ赤ん坊と和夫と小夜子が幸せそうに寄り添っているのを想像した。
自分自身にはあまり結婚も家庭も現実感がなくピンと来ないがそういう時が訪れるなら、この二人のようだといいなあと緋紗は思った。
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