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スカーレット オーク
第42章 42 リアル
 直樹はゲームを落としてから備前市の伊部駅周辺のマップを開いた。
備前焼作家と窯元以外に少しの個人店と病院、ビジネスホテルが一軒ある程度だろうか。――陶芸しかないところだな。
 眺めていると携帯電話が鳴った。
番号が通知されているだけだ。

『もしもし』
『大友か?俺俺』
『オレオレ詐欺か?』
『三上だよ。三上博通だよ』
『ああ三上か。久しぶり。よく番号がわかったな』
『この前、佐野に会ったろ』
『ああそうだった』
『同窓会の場所と日時決まったから教えておこうと思ってさ』
『葉書出さないのかよ』
『出すよ。でもおまえいつも音信不通だったからさ。どこいるんだよ今』
『実家に帰ってるよ』
『なんだじゃあ来いよな。場所は【シフト】な』
『おまえんちじゃん』
『ハハハ。そうだよ』
『三月二十一日の六時から一応十時までで二次会は適当だな』
『祝日か』
『都合悪くないだろ?佐野から大友は土日祝休みで残業なしとか聞いたぞ』
『そうだけどな』
『飲み放題にするから楽しめよ。ほとんど全員参加だ』
『うん。まあいくよ』
『じゃあな』
『じゃ』

 ――同窓会か……。たまにはいいか。
 パソコンを落としてベッドに入り『スカーレット』のことを思い出してみる。――ネカマか。
 なんとなく面白くなった。
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