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スカーレット オーク
第50章 50 窯焚きハイ
「じゃあキスだけでもダメですか?」
 口をとがらせる緋紗が愛しくなって直樹は軽く口づけた。

離そうとした途端、緋紗は腕を首に絡ませ、強い力で直樹を引き寄せ、ぐらっと傾いて床に転がってしまった。

「危ないよ」

 直樹が怒ったように言っても緋紗は堪えず唇に吸い付き、巧みに舌を絡めてくる。
いつのまにこんなに上手くなったんだろうかと思うくらいに滑らかに絡みついてくる。
直樹も思わず夢中になって応じてしまい、緋紗のトレーナーの中に手を入れてしまう。
緋紗のワイルドな体臭が直樹を興奮させる。

身体を弄っていると、「あんっ」と、 緋紗の喘ぎ声にハッとして直樹は身体を起こした。

「だめだってば。明日、朝寄るから。ちゃんと鍵をかけて寝るんだよ」

 つまらなさそうにしている緋紗にそういって直樹は外に出た。
これ以上そばに居たら抱いてしまうだろう。

しばらく外で待って緋紗の鍵をかける音を聞いてから、ホテルに向かい急いで部屋に戻りシャワールームに入った。

 直樹の身体にも煙の匂いがこびりついている。
手を見ると松脂が付着し黄色くなっていた。
指を鼻に持っていき匂いを嗅いでみると懐かしい香りがする。
初めて緋紗と会った日を思い出す。
緋紗の少年のような純粋な目とほっそりした身体。
さっきの濃厚なキスと汗の匂い。
熱いシャワーを浴びながら怒張したものを自分でしごいてみる。

「んっ――」

高ぶっていたせいですぐさま手を汚してしまった。――これでは抱いたのと同じかと自嘲気味に笑んだ。
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