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スカーレット オーク
第55章 55 緋襷(ひだすき)
直樹が寝室に戻ると緋紗が手首に何か軟膏のようなものを塗っている。
「どうかした?」
「あ。いえ。これ前にもらったスギのオイルの練り香水なんです」
「へー。嗅がせて」
スギの爽やかな香りに少し柑橘系の甘酸っぱい香りが混じっている。
「いい香りだね。手作り?」
「はい。オイルが減ってきちゃってどうしようと思ってたら友達がこれの作り方教えてくれたんです。少しオレンジオイルも混ぜちゃいましたけど」
「なくなったら送ってあげたのに。でもすごくいい香りだし緋紗に似合ってるよ。僕にも少しつけさせて」
緋紗が指先に少しワセリンのようなものをのせて
「えーっと。どこがいいかなあ」
少し迷ってからTシャツから覗いている鎖骨のあたりに塗る。
「匂いはそんなに強くないのでこの辺でいいと思います」
体温に乗ってほのかに香る。
「いいね。最近『エゴ』にも飽きたし僕にも作ってくれないかな」
「え。そうなんですか。あの香水すごく似合ってますけどね」
「うーん。外にいるときは平気だけど家に帰るときつく感じるんだ」
「じゃあ、これあげますよ。とりあえずですけど。うちに帰ったらまた作れるし」
「いいの?大事に使うよ」
「一応、直射日光と高温になる場所は避けてください」
緋紗が練り香水の入った容器を直樹に渡し、説明書のように言った。
「どうかした?」
「あ。いえ。これ前にもらったスギのオイルの練り香水なんです」
「へー。嗅がせて」
スギの爽やかな香りに少し柑橘系の甘酸っぱい香りが混じっている。
「いい香りだね。手作り?」
「はい。オイルが減ってきちゃってどうしようと思ってたら友達がこれの作り方教えてくれたんです。少しオレンジオイルも混ぜちゃいましたけど」
「なくなったら送ってあげたのに。でもすごくいい香りだし緋紗に似合ってるよ。僕にも少しつけさせて」
緋紗が指先に少しワセリンのようなものをのせて
「えーっと。どこがいいかなあ」
少し迷ってからTシャツから覗いている鎖骨のあたりに塗る。
「匂いはそんなに強くないのでこの辺でいいと思います」
体温に乗ってほのかに香る。
「いいね。最近『エゴ』にも飽きたし僕にも作ってくれないかな」
「え。そうなんですか。あの香水すごく似合ってますけどね」
「うーん。外にいるときは平気だけど家に帰るときつく感じるんだ」
「じゃあ、これあげますよ。とりあえずですけど。うちに帰ったらまた作れるし」
「いいの?大事に使うよ」
「一応、直射日光と高温になる場所は避けてください」
緋紗が練り香水の入った容器を直樹に渡し、説明書のように言った。