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スカーレット オーク
第61章 61 プロポーズ
仲良くバイキング料理を取りに行き、席に着くと和夫が緋紗にワインを持ってきてくれた。
「ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
直樹は水だが二人で乾杯した。
「美味しい」
緋紗はにっこりして料理を楽しんでいる。
直樹も少し食べてから緋紗の食べるペースが落ちるのを待った。
グラスワインを飲みほしてデザートに手を付けたころ、直樹は春の窯焚きから緋紗と離れている間に考えたことを話した。
「緋紗。これからのことなんだけど。聞いてくれるかな」
「はい」
緋紗は食べかけていたデザートを途中にして手を膝に置いた。
「いいよ。食べながらで」
「え。あ、そうですか?」
緋紗は緊張を解いた。
「緋紗は備前にずっといたいのかな?」
「いえ。そういうわけじゃないですよ。備前焼きが一番好きなだけで場所にこだわりはないです」
「そうか。よかった。静岡にきてくれる?」
「きてもいいんですか?」
「もちろんだよ。そばに居て欲しいんだ」
「私も直樹さんのそばに居たいです」
「それで来年の春からなんだけど僕は前の職場に戻ろうと思ってるんだ」
「え?今の仕事辞めるんですか?」
「うん。今の仕事のままだと少し経済的に苦しいかな。緋紗のアトリエとか建ててやりたいし」
「あの。ちょっと待ってください。好きな仕事でしょう?」
直樹は淡々と、「いいんだ」と、一言言った。
緋紗は直樹の気持ちが痛いほどよくわかる。
少し時間がとまって、また動き出す。
「ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
直樹は水だが二人で乾杯した。
「美味しい」
緋紗はにっこりして料理を楽しんでいる。
直樹も少し食べてから緋紗の食べるペースが落ちるのを待った。
グラスワインを飲みほしてデザートに手を付けたころ、直樹は春の窯焚きから緋紗と離れている間に考えたことを話した。
「緋紗。これからのことなんだけど。聞いてくれるかな」
「はい」
緋紗は食べかけていたデザートを途中にして手を膝に置いた。
「いいよ。食べながらで」
「え。あ、そうですか?」
緋紗は緊張を解いた。
「緋紗は備前にずっといたいのかな?」
「いえ。そういうわけじゃないですよ。備前焼きが一番好きなだけで場所にこだわりはないです」
「そうか。よかった。静岡にきてくれる?」
「きてもいいんですか?」
「もちろんだよ。そばに居て欲しいんだ」
「私も直樹さんのそばに居たいです」
「それで来年の春からなんだけど僕は前の職場に戻ろうと思ってるんだ」
「え?今の仕事辞めるんですか?」
「うん。今の仕事のままだと少し経済的に苦しいかな。緋紗のアトリエとか建ててやりたいし」
「あの。ちょっと待ってください。好きな仕事でしょう?」
直樹は淡々と、「いいんだ」と、一言言った。
緋紗は直樹の気持ちが痛いほどよくわかる。
少し時間がとまって、また動き出す。